精霊 アンクーについて

アンクーとは

アンクーとはコーンウォールやウェールズ、アイルランドやブルターニュ(フランス北西部の半島)などの伝承に登場する死を司る精霊の事である。

また、アンクーは死を擬人化した存在とも言われ死神グリムリーパーなどの特徴と一致する部分が多く、同一視される事もあるが、死神やグリムリーパーなどとは根本的に異なる存在である。

主な役割は死者の魂をあの世に導いたり、墓守をしたりと、死神グリムリーパーなどと類似しているが、アンクーは元々は人間であり、亡くなった後に精霊(死者の魂)となり、それ等の役割を与えられた存在であるそうだ。

一方、死神グリムリーパーは精霊(死者の魂)ではなく、それ等の存在は神または死そのものなので、元が人間のアンクーとは根本的に異なる存在である。

ちなみにアンクーは首を360°回せるそうだ。

これはアンクーが全ての物事を知覚できる事を象徴しているらしい。





見た目

アンクーは古くから伝わる伝承に登場する存在なので、現在までに様々な描写をされて来た。

なので、姿形などは国や地域によって異なる場合が多々ある。

最も一般的な説によるとアンクーはボロボロの黒い衣服に身を包み、古いハット帽を被り、長い白髪はくはつをなびかせながら、馬車に立ち乗りして死者の魂を求めさ迷う、背の高い、骸骨のようにガリガリな男であると言う。

また、死神グリムリーパーなどと同じようにアンクーもまた魂を刈り取る大きな鎌を手に持っているそうだ。

馬車は中世に最も一般的に普及していたような物で、アンクーは基本的に立ったまま馬車に乗り、移動すると言う。

また、馬車を引く馬の数は伝承により異なるが、通常1~4匹である。

馬車を引く馬の数が二匹である場合、一匹はとても健康そうな見た目の馬で、もう一方は今にも死にそうな見た目の馬をしているというのが定説であるそうだ。

ちなみに、アンクーは基本的に馬車から降りる事はないが、夜間にブルターニュの道を行く時は馬車から降りて歩く事もあると言う。


特徴

冒頭で先述したが、アンクー元々は人間であるとする説が一般的である。

一説によると、その年の最後に死んだ者が翌年、自分が生前に暮らしていた教区のアンクーとなり、その教区の死者の魂を導いたり、墓守をしたりすると言われている。

なのでアンクーは一人ではなく、教区毎にいるそうだ。

また、アンクーとしての務めは、また別のその年の最後に死んだ者と交代するまで続くそうだ。

ちなみに、その年の初めに死んだ者がアンクーになるとする説もある。

※ケルト諸語圏のある伝承によると、アンクーはアダムイブの最初の子供であるとする説もあるようだ


アンクーが登場するストーリー

ここでは英語版のウィキペディアに記述されていた話を一つ簡単に紹介する。

ーある所に酔っ払った三人の男がいた。

彼等は友人で、家に帰るために三人で夜道を歩いていた。

その道中、彼等はオンボロの馬車に乗ったアンクーに出くわした。

すると、三人の内の二人の男がアンクーに向かって罵声を浴びせ、彼に向かって石を投げ始めた。

石がアンクーの馬車の車輪に当たり、壊れると、二人の男は走って逃げ出してしまった。

一人残された男は、アンクーの事を気の毒に思い、車輪を補強するために枝を集めて拾い、それ等を馬車に固定するために自分の靴紐を解いてアンクーに渡してやった。

翌日、アンクーに石を投げた男二人は亡くなったが、一人アンクーを手助けするために残った男は髪が真っ白になっただけだった。

男はその後、どうして髪が真っ白になったのかは誰にも決して話さなかったそうだー





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