名:ベレト(Beleth) 序列:13 爵位:王 惑星 :太陽 星座:獅子宮(しし座)
もくじ
ベレトとは
ベレトとは悪魔学における悪魔の一人で、『ゴエティア』に記載された「ソロモン72柱の悪魔」の1柱を担う魔神である。
『ゴエティア』によると、ベレトは地獄の魔神85個軍団を支配する序列第13の悪魔、強大にして恐るべき地獄の王であるという。
彼はトランペットなどの楽器の音が鳴り響く中、青白い馬に乗って現れるそうだ。
また、ベレトは初めて出現する際はとても怒り狂っているおり、その状態では使役する事が出来ないので、術者は先ず初めに自分に従うように彼を説得しなければならないようだ。
それには先ず、術者はハシバミの杖を手に持って、それを南と東の方角に向かって激しく振った後、円を伴わない三角形(△)の結界を描き、後述する精霊の契約と義務に従ってその三角形の中に入るようにベレトに命じなければならないという。
なお、ベレトが素直に三角形の結界の中に入らない場合でも、契約と呪文を繰り返し唱えれば、いずれは根負けして中に入り、術者の命令に従うだろうと言われている。
しかし、例え術者の命令に従うようになったとしても彼が偉大な王である事に変わりはないので、術者は彼に対し敬意を持って、礼儀正しく接しなければならないそうだ。
また、術者はベレトを召喚する際はアマイモンを召喚する時と同じように、常に左手の中指に銀の指輪をつけ、その手を自分の顔に押し当てていなければならないそうだ。
※『ゴエティア』におけるアマイモンとは四方を司る四大悪魔の一人であり、東方を支配する魔王である
次に彼の持つ能力や術者にもたらす恩恵についてだが、偉大なる王ベレトは召喚主たる術者の欲望が満たされるまで、男女問わず全ての者に恋愛感情を抱かせる事が出来ると言われている。
さて、従えるのにひと手間かかるベレトであるが、彼を召喚してその力を借りたい者は彼(下記)の印章を羊皮紙または金属板に書いて身に着けておかなければならず、もしも怠った場合は彼を従える事は出来ず、恩恵は受けられないそうなので注意されたし。
ちなみに他の多くの魔神たちと同じようにベレトもまた堕天使である。
彼は以前は能天使の階位にあったそうだが、これは全9つある天使の階級において6番目に偉いとされる階級である。
以下に天使の階級をまとめたものを載せておくので参考にして欲しい。
上位三隊「父」の階層
熾天使
智天使
座天使
中位三隊「子」の階層
主天使
力天使
能天使
下位三隊「聖霊」の階層
権天使
大天使
天使
備考
『ゴエティア』にはベレトが出現する際の描写についてはあまり詳しく書かれていないが、フランスの文筆家コラン・ド・プランシーによって書かれ、19世紀に発行された悪魔解説書『地獄の辞典』には、ベレトが出現する際の描写がより詳しく書かれているという。
例えば、『地獄の辞典』では、トランペットやホルンなどを演奏する数匹の猫が先触れとして現れ、その後にベレトが現われると解説しているようだ。
ちなみに、『地獄の辞典』に記載されたベレトの項目の挿絵はホルンを吹く猫であるが、これは恐らくベレトが出現する際に楽器を演奏する猫たちの一人であると思われる。
参考文献
・英語版ゴエティア 英訳:マクレガー・メイザース
・魔導書ソロモン王の鍵 編著者:青狼団
・萌える!ソロモン72柱の魔神事典 著者:TEAS事務所
・Wikipedia等
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