巨人 サイクロプスの容姿や伝承について分かりやすく記述していく

サイクロプスとは

サイクロプスとはギリシア神話に登場する一つ目の巨人族である。

サイクロプスは英風の読み方でギリシアではキュクロプス呼ばれ、意味は「丸い目」である。

これはサイクロプス達の目玉が大きくて丸い事が由来である。

ちなみに、基本的にギリシア神話に登場するサイクロプス達は神の一族であり鍛冶屋でもある高次元的存在であるが、ギリシア神話の英雄オデュッセウスを主人公にした物語「オデュッセイア」の第9歌に登場するサイクロプス族は単に人を食らうだけの怪物として描かれている。

神話の中のサイクロプス

先述したようにサイクロプス(単眼の巨人族)は人食いの怪物として描写される事もあるが、ここでは神話に登場する神、鍛冶屋としてのサイクロプスの話を紹介する。

ーアルゲス、ステロペ、ブロンテスの3兄弟、彼らは天空神ウラノスと大地母神ガイアの息子達であり、単眼の巨人族であった。

またウラノスとガイアの間には単眼の巨人族の息子達の他にコットス、ブリアレオス、ギューゲスというヘカトンケイル(五十頭百腕を持つとされる巨人族)の息子達もいたが、彼らは皆父ウラノスに嫌われ奈落の底タルタロスに幽閉された。

しばらくして、オリュンポスの神々(新)とタイタンの神々(古)との世代交代の争いが始まると、母ガイアはオリュンポスの神々を率いる主神ゼウスに「3人のヘカトンケイルと3人のサイクロプスを味方に付ければ戦いに勝つ事が出来る」と助言し、ゼウスはこれに従いタルタロスに幽閉されていたヘカトンケイルとサイクロプスを解放し、ネクタル(不死の飲み物)とアムブロシアー(不死の食べ物)与え味方にした。

サイクロプス達は鍛冶の神ヘパイストスの下で鍛冶を学び、助けてくれたお礼にゼウス達に武器を作って献上した。

また共に解放された兄弟族ヘカトンケイルは一度に300の巨大な岩石を休みなく投げ続けてタイタンの神々を打ち負かした。

こうして戦いはサイクロプス達とヘカトンケイル達を味方に付けたオリュンポスの神々が勝利して幕を閉じたー

ちなみに戦いの後、サイクロプス達は鍛冶の神ヘパイストスの下で鍛冶業を続けたと言われているが、その一方で、息子をゼウスの稲妻で失ったアポロンの八つ当たりを食らい、虐殺されてしまったという異伝も伝えられている。

単眼の巨人ポリュペモスとオデュッセウス

ポリュペモスとは冒頭で先述した「オデュッセイア」に登場する単眼の人食い巨人の事である。

ここで語れているポリュペモスという単眼の巨人は非常に乱暴で恐ろしい人食いのサイクロプスとして描かれている。

ポリュペモスは父に海神ポセイドン、母に海に棲む女神ネレイスを持ち、サイクロプス達の中でも最も大きい体を持っていたとされている。

以下に話の概要を記述する。

ーオデュッセウスがトロイア戦争からの帰りに12人の部下と共にポリュペモスの暮らしているサイクロプス達の島に立ち寄ると、彼らは全員ポリュペモスの洞窟に閉じ込められてしまった。

部下達が次々にポリュペモスに食べられていくと、オデュッセウスは持っていたワインをポリュペモスに飲ませて機嫌をとった。

気を良くしたポリュペモスがオデュッセウスに名前を尋ねると、彼はウーティス(ギリシア語で「誰でもない」の意)と答えた。

ポリュペモスが酔いつぶれて眠り込んだのでオデュッセウスは部下達と強力してポリュペモスの単眼を潰した。

ポリュペモスが大きな悲鳴を上げると仲間のサイクロプス達が集まって来たが、ポリュペモスに「誰にやられた?」と聞いても「ウーティス(誰でもない)」と答えるばかりであったのでサイクロプス達はみな帰っていった。

難を逃れたオデュッセウス達は無事に洞窟を脱出し、島を離れる事が出来たー

この話を教訓にして、サイクロプス達が住んでいる島に旅行に行く際はワインを大量に持って行くのが良いだろう。

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