エドワード・ゴーリーは世界中に熱狂的なファンを持つアメリカの絵本作家である。
細い線で描かれたモノクローム(白黒)のイラストが特徴的な彼の作品は芸術性が高く、また内容も残酷で不条理なものが多い事から「大人のための絵本」と言われている。
というより「児童向けの絵本とは言えない」と言った方が正しいのかも知れない。
実際にゴーリーは生前ある取引先の出版社に対して、自分の本を子供に売り込んで欲しいと頼んでみたところ、「子供が読むには適切ではない」と言われてしまったそうだ。
さて、今回はこのようにエドワード・ゴーリーについて私が知っている事や調べた事などを簡潔にまとめて分かりやすく紹介していきたいと思うので、最後まで楽しんで読んでくれたら幸いだ。
もくじ
エドワード・ゴーリーの基本情報
先ずは生誕や死没など、ゴーリーに関する基本的な情報を箇条書でまとめてみよう。
・名前:エドワード・セントジョン・ゴーリー(Edward St. John Gorey)
・生誕:1925年2月22日、アメリカ イリノイ州 シカゴ
・死没:2000年4月15日、アメリカ マサチューセッツ州 ハイアニス(75歳没)
・死因:心臓発作
・墓所:アメリカ オハイオ州 ローレンス郡 アイアントン ウッドランド墓地
・性格:博学、知的、穏やか、親しみやすい、変り者
・配偶者:なし
・子供:なし
・代表作『うろんな客(The Doubtful Guest)』『ギャシュリークラムのちびっ子たち(The Gashlycrumb Tinies)』『不幸な子供(The Hapless Child)』『おぞましい二人(The Loathsome Couple)』.etc.
・ペンネーム:オグドレッド・ウェアリー(Ogdred Weary)、リゲラ・ダウディー(Regera Dowdy)、ドギア・ライド(Dogear Wryde)、ラドリー・ギュウ(Raddory Gewe)、D・オードリー=ゴア(D. Awdrey-Gore)、ギャロッド・ウィーディー(Garrod Weedy)、エイドワード・ゴレ(Aydwyrd Goré)、エドゥアルド・ブルティグ(Eduard Blutig)、エドワード・ピッグ(Edward Pig)
ゴーリーにまつわる話
性的指向
英語版のウィキペディアによるとゴーリーはあるインタビューで自身の性的指向について尋ねられると自分は同性愛者であるという旨の発言をしたようだ。
以下にウィキペディアから引用したゴーリーの発言の一部と和訳を載せて置くので参考にして欲しい。
I am fortunate in that I am apparently reasonably undersexed or something … I’ve never said that I was gay and I’ve never said that I wasn’t … what I’m trying to say is that I am a person before I am anything else … Well, I’m neither one thing nor the other particularly. I suppose I’m gay.
私は明らかに性的欲求が弱くて幸いだ…私は自分がゲイであるとも、そうでないとも言った事がない…私が言いたいのは他の何かである前に私は一人の人間だという事だ…そうだな、私は特にゲイでもストレートでもない。私は恐らくゲイなのだろう。
なお、ゴーリーは女性にも男性にも興味のない無性愛者ではないかとも言われている。
国外旅行
ゴーリーは日本を含む様々な国の言語や文化にとても興味を持っていたと言われているが、国外に旅行した事はほとんどないようだ。
彼が生涯で国外に出たのは、少年時代に親戚たちとキューバを訪れた時と、1945年の映画『渦巻』に影響されてスコットランドの島々へ旅行に行った時だけだそうだ。
なお、ゴーリーが国外に出るのを嫌った主な理由は海外に行って危険や不幸に見舞われる事を避けるためだったと言われている。
バレエ
ゴーリーはバレエが大好きで、1953年にニューヨークに移り住んでから1983年にニューヨークを離れるまでの凡そ30年の間にニューヨーク・シティー・バレエに通い詰め、ほぼ全ての公演を観たそうだ。
なお、自ら脚本を書いたり、演劇の衣装やセットのデザインを手掛けたりもしていたという。
猫
ゴーリーには女性にも男性にも興味がない無性愛者であるという説もあるが、猫に対しては深い愛情を持っていたと言われている。
その証拠にゴーリーは兵役期間を除いて生涯猫と共に生活をしていたそうだ。
代表作
『うろんな客 エドワード・ゴーリー作』
出典 Wikipedia
うろんな客はゴーリーの最初期の作品の一つにして、残酷さや不条理さを感じさせない珍しい作品でもある。
むしろ可愛らしい作品なので、興味のある方は是非読んでみて欲しい。
『ギャシュリークラムのちびっ子たち エドワード・ゴーリー作』
出典 Wikipedia
本作はゴーリーの代表作の一つにして、最も残酷な作品の一つでもある。
内容は名前順(アルファベット順)に26人の子供たちがそれぞれ悲惨な死を迎えるという残酷で不条理なものになっている。
『おぞましい二人 エドワード・ゴーリー作』
出典 Amazon商品ページ
本作は1960年代にイギリスで現実に起きた事件「ムーアズ殺人事件」をもとに描かれた作品で、余りにも残酷な内容のため書店や読者から非難が続出したという超問題作である。
なお、ゴーリー自身は本作に対して「書かずにはいられなかった」と語っているそうだ。