名:グシオン(Gusion) 序列:11 爵位:公爵 惑星 :金星 星座:巨蟹宮(かに座)
もくじ
グシオンとは
グシオンとは悪魔学における悪魔の一人で、『ゴエティア』に記載された「ソロモン72柱の悪魔」の1柱を担う魔神である。
『ゴエティア』によるとグシオンは地獄の魔神40個軍団を支配する序列第11の悪魔、偉大にして強大なる地獄の公爵であると言う。
なお姿については、一般的には犬の頭部をした人間の男性、または猿の頭部をした人間の男性、または犬と猿の特徴を合わせたような頭部をした人間の男性の姿で描かれる事が多いようだが、『ゴエティア』ではゼノフィルス(Xenopilus)に似た姿で術者の前に現れるとされている。
だが、ゼノフィルスが何を指す言葉なのかがハッキリとは分かっていないため、グシオンの姿は未だに多くが謎に包まれたままなのだそうだ。
※ゼノフィルスについては次項でもう少し詳しく解説していく
では次に彼の持つ能力や術者にもたらす恩恵についてだが、グシオンは過去、現在、未来に関するあらゆる物事を語るそうだ。
また、術者が問うであろうあらゆる質問に対しその意味と答えを示すと言われている。
他にも彼は、交友関係を結ばせ和解させたり、名誉や尊厳をいかなる者にも与えたりするそうだ。
さて、見た目の不明瞭さとは対照的に非常に分かりやすい能力を持つグシオンだが、彼を召喚してその力を借りたい者は彼(下記)の印章を羊皮紙または金属板に書いて身に着けておかなければならず、もしも怠った場合は彼を従える事は出来ず、恩恵は受けられないそうなので注意されたし。
ちなみに、18世紀の代表的な魔導書『大奥義書』では、グシオンは地獄の司令官アガリアレプトの配下の精霊として紹介されている。
他にも同書では序列第10の魔神ブエル、序列第17の魔神ボティスなども同じくアガリアレプトの配下の精霊として紹介されている。
『大奥義書』について興味がある人はウィキペディア等で調べてみると、面白いだろう。
備考
先ほどグシオンはゼノフィルスに似た姿で召喚者の前に現れると言ったが、このゼノフィルスに関しては主に2つの解釈があるらしい。
一つ目は「異国人」の意であるとするもの、もう一つは古代ギリシアなどの伝承に登場する犬の頭を持つとされる人種「キノケファルス」の変形、または誤訳であるとするものである。
なお、現在では「キノケファルス」という単語は「ヒヨケザル」という猿の学名に用いられているそうだ。
以上の理由からグシオンは一般的に犬の頭部をした人間の男性、または猿の頭部をした人間の男性、または犬と猿の特徴を合わせたような頭部をした人間の男性の姿で描かれる事が多いという訳だ。
参考文献
・英語版ゴエティア 英訳:マクレガー・メイザース
・魔導書ソロモン王の鍵 編著者:青狼団
・萌える!ソロモン72柱の魔神事典 著者:TEAS事務所
・Wikipedia等
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