もくじ
キルムーリスとは
キルムーリスとはスコットランドの伝承に登場する妖精の一種である。
スコットランドの国境地方(Anglo Scottish Border)に伝わる妖精で、主に低地地方の粉ひき場に住むと言われている。
キルムーリスはhousehold fairies(家憑き妖精)の一種で、ブラウニーやホブゴブリンなどと同じように家事の手伝いや家業の手助けなどをする善い妖精であるそうだ。
しかし、他の多くの妖精などと同じように、キルムーリスもまた悪戯好きで、穀物を勝手に食べたり、脱穀した麦に灰を吹きかけたりすると言う。
とは言うものの、人を傷つけるような危険な悪戯はしないし、仕事も一生懸命にこなすので、キルムーリスに憑かれる事は結果的にプラスになるそうだ。
ちなみに、大きさは1 foot(訳30センチ)ほどとかなり小さいので、ブラウニーなどと同じように犬や猫などの動物が苦手であるそうだ。
場合によってはネズミなども天敵になる事があるらしく、襲われた時は長い針などで応戦するそうだ。
見た目・特徴
キルムーリスの見た目はかなり特徴的で、顔のパーツは目と耳と大きな鼻だけである。
口がないので、代わりに食べ物は大きな鼻から吸い込んで吸収するそうだ。
また、口がないので喋る事も出来ないが、テレパシーのような能力を使って意思疎通が出来ると言われている。
キルムーリスはその能力を使って、憑いた粉屋の家族に不幸や災難などが近づくと知らせてくれる事もあるそうだ。
※または、むせび泣いて知らせてくれるとも言われている
ちなみに、キルムーリスはとても恥ずかしがり屋なので、人前に姿を現す事は滅多になく、基本的に家事や粉屋の手伝いは人気が無くなってから行うと言われている。
一説によると、もしも、誰かに姿を見られて、捕まってしまうと、気絶するか死んでしまう事もあるらしい。
他の家憑き妖精
Brownie
ブラウニーとはスコットランドやイングランド北部に伝わる妖精で、地方によって呼び名が異なる場合があるが、いずれも民家に住み着いてその家を栄えさせるなど善良な妖精として伝えられている。
身長は30cm~1mほどで、茶色のボロを着ていて、髪はボサボサでヒゲは伸ばし放題といった姿で描写される事が多い。
ちなみにサンタクロースの弟子がブラウニーで、歳を取ったブラウニーがサンタクロースになるという伝承もある。
Hobgoblin
ホブゴブリンとはイギリスやスコットランドに伝わるゴブリンの一種で、古くからの伝承では密かに家事を手伝う善良な妖精とされて来たが、後世ではフレンドリーなイタズラ者としてのイメージが定着している。
またゴブリンよりも少し大きいとされている。
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