獣人 ミノタウロスの容姿や出生、伝承について分かりやすく記述していく

ミノタウロスとは

ミノタウロス(ミーノータウロス)とはギリシア神話に登場する頭が牛で体が人間の怪物である。

ちなみに「タウロス」というのはギリシア語で「雄牛」を意味する言葉で、「ミノタウロス」とは「ミノスの牛(ミーノースの牛)」という意味であり、本名はアステリオスという。

現代のイメージと伝統的な描写の違い

近年のゲームやアニメなどの創作物に登場するミノタウロスは全身が毛で覆われていてまるで二足歩行をする牛のような姿で描かれる事が多いが、伝統的な言い伝えによると「男性の体に牛の頭が乗っているだけ」といった具合であり、獣感は現代のイメージほどではないとされている。

個人的には伝統的な描写の方が恐ろしく感じるが、どうだろうか?

ミノタウロスの出生

ミノタウロスに関する神話にはいくつかバリエーションがあるが、おおまかなストーリーは同じである。

ここでは代表的な話を紹介する。

ークレタ島の王、ミノスは主神ゼウスと母エウロペとの間に生まれた。

母エウロペはクレタの前王であるアステリオスの妻となりミノスはアステリオスの下で成人した。

成人したミノスは太陽神ヘリオスの娘であるパシパエと結婚をしたくさんの子宝に恵まれた。

やがて前王アステリオスが亡くなると、ミノスは長兄である自分が王位を継ぐべきだと主張し、対立した兄弟サルペドンを追放してクレタ島の王となった。

この時、ミノスは王位継承の証として牧牛を海から送ってくれるように海神ポセイドンに祈り、後にその牧牛はポセイドンに生贄として捧げる事を誓った。

ポセイドンはこの祈りを聞き届け、ミノスの元に美しい牧牛を送ったが、ミノスはこの牛をたいそう気に入ってしまい生贄に捧げるのは惜しいと、別の牛を用意してこれをポセイドンへの生贄に捧げた。

ミノスが約束を違えた事に怒ったポセイドンは牧牛を凶暴に変え、さらにミノスの妻パシパエがこの牧牛に恋心を抱くように仕向けた。

パシパエは思いを遂げるために工匠ダイダロスに相談し、ダイダロスは木で牧牛の像を作り、内側を空洞にし、牧牛の皮を張り付け、パシパエに渡した。

パシパエはその中に入り牧牛と交わると身ごもり、牛の頭を持った怪物ミノタウロスを生んだー

テセウスとミノタウロス

ーこうして誕生したミノタウロスだが、成長するにしたがって乱暴になり、手におえなくなった。

そこでミノス王はダイダロスに命じて迷宮ラビュリントスを建造させ、そこへミノタウロスを閉じ込めた。

そのころアテナイとクレタの間にはいざこざがあり争っていたが、終にアテナイが降伏すると、

ミノスはミノタウロスの食料として毎年(一説には9年毎)にアテナイから少年少女を7人ずつ送らせる事にした。

3回目の時にアテナイの英雄テセウスが自ら名乗りを上げて生贄になった。

そうしてクレタに到着したテセウスだったが、ミノスの娘、アリアドネがテセウスに一目惚れした。

テセウスを死なせたくなかったアリアドネは迷宮ラビュリントスを作った張本人である工匠ダイダロスに攻略法を聞きに行き、テセウスに短剣と魔法の毛糸を持たせた。

そしてテセウスが迷宮ラビュリントスに入るとアリアドネは入り口で魔法の毛糸の端を持ち、もう片端をテセウスに持たせた。

テセウスは短剣でミノタウロスを倒し、魔法の毛糸をたぐりよせてアリアドネの元へ無事戻る事ができたー

迷宮ラビュリントスのモデル

上記に記した話はギリシア神話に登場する話なので現実の話ではない。

しかし実際にギリシアにはクレタという島があり、そこには神話の中で工匠ダイダロスが建造した迷宮ラビュリントスのモデルであるとされるクノックス宮殿という建造物の遺跡が存在している。

この建物は部屋数1200個以上、部分的に4階建て、全長5km、幅3kmほどもあり、内部は相当に複雑な構造をしていたらしい。

お知らせ

Amazonの公式ストアにて「世界の妖精/精霊ファイル」を紙版、電子書籍版共に販売中なので、興味のある方はチェックして頂けると幸いです↓

https://www.amazon.co.jp/dp/B0D91FYVKL

関連記事

幻獣 ユニコーンについて

獣人 オオカミ男について

幻獣 ケルピーについて

獣人 ケンタウロスについて

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です