名:ナベリウス(Naberius) 別名:ケルベルス(Cerberus) 序列:24 爵位:侯爵 惑星 :月 星座:天蠍宮(さそり座)
もくじ
ナベリウスとは
ナベリウスとは悪魔学における悪魔の一人で、『ゴエティア』に記載された「ソロモン72柱の悪魔」の1柱を担う魔神である。
『ゴエティア』によると、ナベリウスは地獄の魔神19個軍団を支配する序列第24の悪魔にして、最も勇猛な地獄の侯爵であるという。
また、彼は黒い鶴の姿で魔法円を飛び回りながら召喚者の前に現れ、会話をする時はしわがれた声で話すそうだ。
次にナベリウスの持つ能力や術者にのもたらす恩恵についてだが、彼は人間をあらゆる技芸と学問、特に修辞学に精通させる事が出来るという。
また、失われた尊厳と名誉を取り戻す事が出来るそうだ。
なお、ナベリウスを召喚してその力を借りたい者は彼(下記)の印章を羊皮紙または金属板に書いて身に着けておかなければならず、もしも怠った場合は彼を従える事は出来ず、恩恵は受けられないそうなので注意されたし。
※ちなみに、修辞学とは、聴衆や読者を説得するために言葉や文章の表現方法を研究する学問の事であり、その起源は古代ギリシアにまでさかのぼるという。
備考
『ゴエティア』と関係の深い魔導書『悪魔の偽王国』にはナベリウスの別名として、ケルベルス(Cerberus)という名も記述されている。
このケルベルスとはケルベロスのラテン語読みで、ギリシア神話に登場するあの三つ首の地獄の番犬の事を指す名称である。
ケルベルスとナベリウスが具体的にどのように関係しているのかは定かではないが、19世紀フランスの文筆家コラン・ド・プランシーによって書かれた悪魔解説書『地獄の辞典』でも、ナベリウスは地獄の番犬ケルベルスの項目で扱われており、三つ首の犬、またはカラスのような姿で現れるという風に記述されているそうだ。
以下に『地獄の辞典』に描かれたナベリウスの挿絵の画像を貼って置くので参考にして欲しい。
『地獄の辞典』の挿絵におけるナベリウスの姿
出典 Wikipedia
ちなみに、イタリア発祥と言われる18世紀の代表的な魔導書『大奥義書』では、ナベリウスはネビロスという悪魔の配下として紹介されているそうだ。
ネビロスとは地獄の3人の支配者であるルシファー、ベルゼビュート(ベルゼブブ)、アスタロトに仕える6柱の上級精霊の1柱であり、同書には他にも序列第22の魔神イポスと序列第25の魔神グラーシャ・ラボラスなども彼の配下として紹介されているようだ。
なお、ナベリウスとこのネビロスを同一の悪魔だとする説もあるそうなので、参考までに覚えておくと良いだろう。
参考文献
・英語版ゴエティア 英訳:マクレガー・メイザース
・魔導書ソロモン王の鍵 編著者:青狼団
・萌える!ソロモン72柱の魔神事典 著者:TEAS事務所
・Wikipedia等
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