詩「窓辺の二人」

薄暗い部屋に差し込む夕日の明かりは窓辺に座った二人の男を照らし出していた。

部屋は湿った木材の香りで溢れ、窓からはルビーを散りばめたような美しい海が見えた。

「もう少しだけいいかな?」

奥の男が海を見ながら言った。

「いいとも、綺麗だもんな」

帽子の男は海を一目見るとそう言った。

それからしばらく二人に会話はなく、静寂に包まれた部屋の中は打ち寄せる波の音が心地よく鳴り響いた。

「ありがとう…もう大丈夫だ」

そう言った男の瞳は静かに澄んでいた。

「じゃあ、行こうか」

少し名残惜しそうに帽子の男が言った。

「バン」

鳴り響く銃声、漂う火薬の匂い。

夕日は既に沈んで、男の愛した海に満天の星が映り込んでいた。

その光景は神秘的で、恐ろしいほどに美しいものだった。

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