もくじ
ヘルハウンドとは
ヘルハウンドとは世界各国に伝わる民話や神話などに登場する超自然の犬の事である。
国や地域によって様々だが、多くの場合ヘルハウンドは死の兆候、不吉な黒い犬とされ、姿を見たものに災いをもたらすと言われている。
その一方で墓守をしたり、死者の世界への入り口を守ったりするなどの役割も担っており、
有名なヘルハウンドにはギリシア神話に登場する3つ首の怪物犬「ケルベロス」やイギリス全土に伝わる不吉な黒い犬「ブラック・ドッグ」などがいる。
ちなみにヘルハウンドは英語でHellhoundと綴る。
ヘルは「地獄」を意味し、ハウンドは「猟犬」を意味する事からヘルハウンドは日本では「地獄の猟犬」とも呼ばれる。
見た目・大きさ・能力
ケルベロスなどの例外を除けば多くの場合ヘルハウンドは燃えるような赤い目をした大きな黒い犬の姿をしていると言われている。
大きさは正確ではないが、肩高の平均は1.4~1.6メートルほどと言われており、これは現存のイヌ科最大の種ハイイロオオカミ(肩高最大1メートルほど)よりも遥かに大きい。
また、イギリスでは幽霊・亡霊のようなヘルハウンドの存在が伝えられており、これは霧に紛れてゆらゆらと幻影のように見える場合もあるそうだ。
さらに、死後の世界を火と関連付ける文化のある国や地域では「ゴーストライダー」のように炎を身に纏ったヘルハウンドや炎を操るヘルハウンドなどの存在も伝えられている。
常に燃える硫黄の臭いがし、ヘルハウンドが通った場所は燃えてしまうらしい。
有名なヘルハウンド
最後に有名なヘルハウンドとして以下の者達を紹介する。
「ケルベロス」
ケルベロスはギリシア神話に登場する3つ首の犬で、冥界の王ハデスの飼い犬。
ケルベロスは冥界の入り口で死者の魂が冥界に向かうのを見届け、また冥界から逃げ出そうとする亡者を捕らえて貪り食う「地獄の番犬」である。
「ブラック・ドッグ」
ブラック・ドッグはイギリス全土に伝えられる不吉な黒い犬の事で、イギリス各地でその目撃例や被害が報告されているがそれ等が本当にヘルハウンドによるものなのかは定かではない。
また一方でイギリスでは新しく墓地を作る際に「最初にその墓地に埋められた死人は天国に行けずにその墓地の番人になる」という迷信があり、代わりに黒い犬を埋めて墓守犬とする場合があったらしい。
こうして人為的に生み出されたヘルハウンドは教会グリムなどと呼ばれ、見た目は他の多くのヘルハウンド同様に赤い目を持つ大きな黒い犬の姿だが、墓守としての仕事をまっとうしており、墓を荒らす者以外には危害を加えないとされている。
「カデホ」
Cadejoとは中央アメリカ・メキシコ南部に伝わるヘルハウンドで、これも大きな黒い犬の姿をしている。
カデホは夜に人気のない田舎道などを歩く旅人を襲って食べるという恐ろしいヘルハウンドだ。
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