アカカンガルーの生態・形態・分布・生息地についてそれぞれ簡単に記述していく

アカカンガルーについて

アカカンガルーはオーストラリア大陸の大部分に生息する双前歯目そうぜんしもくカンガルー科カンガルー属に分類される有袋類ゆうたいるいであり、

1150万頭以上がオーストラリアの乾燥した草原や低木林、砂漠などで生活をしている。

オーストラリアの気候はほとんど1年中穏やかな気候に恵まれているが、大陸の面積が広大なので場所によって気候が異なり、特にアカカンガルーが多く生息する大陸中央部は砂漠気候で日中は暑く、夜は寒くなりやすい。

そのためアカカンガルーは日中のもっとも暑い時間帯は木や岩の陰で休む事が多い。

アカカンガルーが前肢をよくなめるのは体温の過度な上昇を防ぐためで、唾液の気化によって皮膚の下の血流を冷やす事が出来る。

同じくオーストラリア大陸に生息するオオカンガルー(ハイイロカンガルー)と共に有袋類最大の一種で特に大きな個体は直立時の身長が2メートルを超える事もある。

ちなみにカンガルーと言えば跳躍によって移動する事でお馴染みだが、あのような歩行方法を取る動物はカンガルーだけである。

跳躍による歩行は人間からすれば大変な事のように思えるが、彼等にとっては非常にエネルギー効率がよく、後ろ肢がバネのように働くおかげでほとんどエネルギーを費やさずに移動出来るそうだ。

特に高速で移動する時が最もエネルギー効率がよくなり、その際は太い尻尾でバランスを取りながら跳躍する。

体長・体重

体長:1~1.6メートル

体重:25~90キログラム

身体能力

アカカンガルーにとって心地の良い歩行速度は20~25km/hだが、短い距離なら時速70km前後まで出せる。

速度を40km/hを維持したまま2km近く(凡そ3分間)も移動出来る。

高速で移動している時のジャンプ幅は最大で9~13メートルほどにもなる。

カンガルーのオスは筋肉が非常に発達していて繁殖相手を巡るオス同士の争いではそれが重要になる。

先ず対立したオスに自分の体の大きさや筋肉を見せつけて誇示し、勝敗を決める。

それでも決着が付かない場合は太い尾を地面に固定してバランスを取り、前肢でパンチ、後肢で蹴りを繰り出すボクシングのような闘争を行う。

お腹の袋について

有袋類ゆうたいるい、アカカンガルーのメスのお腹には育児のための袋がついているが、その袋は有胎盤類ゆうたいばんるい(人間や犬、猫、その他多数)でいうところの子宮や胎盤の代わりをしている。

というのも有袋類には人間や犬、猫のような胎盤がなく、さらに子宮や骨もお腹の中で大きな子供を育てられる構造になっていない為、一旦出産してからお腹の袋で十分に成長するまで育児をする。

天敵・捕食者

アカカンガルーの天敵・捕食者は自然界にはオーストラリアに生息するディンゴと呼ばれるタイリクオオカミの亜種で、幼獣であればタカなどの猛禽類もうきんるいも危険な捕食者となり得る。

そして彼等にとって最大の天敵・捕食者は我々人間である。

人間がカンガルーを狩る理由は3つ、

一つ目の理由は個体数が増えすぎて農作物などへの被害や伝染病などの防止の為。

二つ目の理由は肉、食用。

三つ目の理由は皮、販売。

先ず第一にオーストラリアにおけるカンガルーの個体数は年々増えておりその数はオーストラリアに住む人口を遥かに上回り、生態系が維持出来なくなるレベルである事からカンガルーを狩り、肉や皮を売って個体数を管理するという流れになっている。

その一方で動物保護の観点から上記の諸理由によるカンガルーの捕獲に対して反対意見も多いが、

オーストラリアでは既にカンガルーの肉が広く一般的に普及しており、カンガルーの革は柔らかくしなやかで丈夫なので需要がある。

年間でカンガルーを狩猟しゅりょうできる数は制限されているが、それでも年間に数十~数百万頭のカンガルーが肉・皮の販売の為に狩られる。

※ちなみにアカカンガルーの肉は赤身で脂身がほとんどなく、噛めば噛むほど味がするらしい。

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