妖精 バンシーについて



バンシーとは

バンシーとは主にアイルランドの民間伝承に登場する妖精の一種である。

オリジナルの伝承によるとバンシーは人間の家に住みつく妖精またはゴーストで、その家に住む家族の誰かが死に近い場合や亡くなった時に美しい女性の姿で現れ、悲しみに満ちた歌を家族への愛を込めて歌い、その死や危篤きとくを他の家族の者に知らせるという。

しかしオリジナルの伝承が国や地域を越えて世に広まると共に、または時代の変化と共に伝承の内容は少しずつホラー寄りに変化していき、現在ではバンシーは家族の死や危篤を嘆きなげ歌うのではなく、恐ろしい声で「泣き叫ぶ」というのが一般的とされている。

そして、その叫び声は人間動物などありとあらゆる叫び声を合わせたような凄まじいものだと言われている。

一方で、その家の者ならどこにいてもその鳴き声を聞く事が出来るので、家族は身内の死や危篤をいち早く知る事が出来るそうだ。

だが、時にその恐ろしい鳴き声は聞いた者を凍りつかせ、正気を失わせてしまうとも言われている。





見た目・特徴

もともとはアイルランドがバンシー伝説の発祥の地とされているが、周辺の国々を初め、アイルランドからの移民によって海を越えてアメリカカナダなどにも伝承が広まったため、バンシーの見た目や特徴などの描写は国や地域によって多かれ少なかれ異なる。

そこでここでは各地で伝わっているバンシーの見た目や特徴を幾つか紹介していく。

1.白い布をまとった美しい女性

2.灰色の長ドレス、長い灰色の髪をまとった美しい女性

3.白いドレス、長い赤色の髪をまとった青白い顔色をした女性

4.黒いドレス、長い灰色の髪をまとい、ベールで顔を隠した老婆

5.緑のドレス、長く白い髪を纏った赤目の老婆

6.血の入ったボウルを抱えた首のない上半身裸の女性

ちなみにバンシーが赤い目をしているというイメージは言わずもがな「バンシー=泣く」から来ている。


バンシーとフクロウ

バンシー伝説の発祥の地はアイルランドと言われているが、そのアイデアがどこから着想を得たのかはハッキリとは分かっていない。

しかし、「フクロウの鳴き声」がそうであると言う説が最も有名であるらしい。

昔のヨーロッパの戦において、軍は夜明け頃に敵国に向けて行進する事が常だった。

すると夜行性のフクロウは朝方に眠ろうとしている所に人間がたくさん行進してくるので驚いて羽根をバタバタさせ、鳴き声を上げながら飛び去るだろう。

その鳴き声は軍が近づいており、これから戦が始まる事を敵国の軍や町民に知らせる警報のようなものだ。

通常戦において多数の死傷者が出るので、それを知らせる「フクロウの鳴き声死の前兆であると考えられて来た。

つまり、このように人々に死が迫っている事を知らせる「フクロウの鳴き声」がその家に住む者の死や危篤に嘆き、泣き叫んで(歌って)、家族に知らせるというバンシー伝説を生んだと考えられているという事である。





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