名:ブエル(Buer) 序列:10 地位:総裁 惑星 :水星 星座:巨蟹宮(かに座)
もくじ
ブエルとは
ブエルとは悪魔学における悪魔の一人で、『ゴエティア』に記載された「ソロモン72柱の悪魔」の1柱を担う魔神である。
『ゴエティア』によるとブエルは地獄の魔神50個軍団を支配する序列第10の悪魔にして、偉大なる地獄の総裁であると言う。
また、彼は太陽が人馬宮(射手座)の位置にあるときに、弓を持った人馬の姿で現れるそうだ。
次に彼の持つ能力や術者にもたらす恩恵についてだが、術者はブエルを召喚し使役する事で、自然哲学や道徳哲学、論理学、ありとあらゆる薬草や植物の効能について学ぶ事が出来るようだ。
他にもブエルは人間のありとあらゆる心身の不調を癒したり、良き使い魔を授けたりすると言われている。
なお、彼のこの「癒し」の力はありとあらゆる病や症状に対して有効な能力であるが、特に精神的な病や症状に対してその効力を発揮するそうだ。
なので、ストレスなどに押しつぶされそうな時、辛い事が重なって精神的に追い込まれた時などは、彼の「癒し」の力に頼るのも良いかも知れない。
さて、そんな癒し系な魔神ブエルだが、彼を召喚してその力を借りたい者は彼(下記)の印章を羊皮紙または金属板に書いて身に着けておかなければならず、もしも怠った場合は彼を従える事は出来ず、恩恵は受けられないそうなので注意されたし。
ちなみに、ブエルの地位は総裁である。
総裁は悪魔の階級の中で唯一貴族社会の階級(爵位)とは関係のない階級(地位)である。
英語ではPresidentと言い、現在では「社長」や「大統領」と訳される事が多いが、本来の意味は日本語の「議長」に近く、『ゴエティア』でもそれに近い意味で使われているそうだ。
備考
先ほどブエルは「弓を持った人馬」の姿で現れると言ったが、これは同じ魔導書(ゴエティア)を参考にしても解釈が異なる場合があるようだ。
例えば、別のバージョンでは、ブエルは「射手座のシンボルマーク(♐)」の姿で現れると解釈されている事もある。
また、19世紀フランスの文筆家コラン・ド・プランシーによって書かれた悪魔解説書『地獄の辞典』では、ブエルは「星か車輪のような五本の足を持ち、自ら転がるように前進する」と紹介されているようだ。
実際に『地獄の辞典』に記載されているブエルの項目の挿絵を見てみると、その姿はかなり興味深い。
先ず、ライオンの頭の周りに、五本の馬もしくはヤギの脚が放射状に生えており、まさに星または車輪のような姿をしている。
他にも『ゴエティア』と関係の深い魔導書『悪魔の偽王国』では、ブエルはアスタリスクの姿で現れるとされている。
なお、アスタリスクとは星のような形をした記号の事である(✻)
参考文献
・英語版ゴエティア 英訳:マクレガー・メイザース
・魔導書ソロモン王の鍵 編著者:青狼団
・萌える!ソロモン72柱の魔神事典 著者:TEAS事務所
・Wikipedia等
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