名:マラクス(Marax) 別名:モラクス(Morax)、フォライー(Foraii)、フォルファクス(Forfax) 序列:21 地位:伯爵/総裁 惑星 :火星 星座:天秤宮(てんびん座)
もくじ
マラクスとは
マラクスとは悪魔学における悪魔の一人で、『ゴエティア』に記載された「ソロモン72柱の悪魔」の1柱を担う魔神である。
『ゴエティア』によると、マラクスは地獄の魔神30個軍団を支配する序列第21の悪魔、偉大なる地獄の伯爵にして総裁であるという。
また、彼は人間の顔をした大きな雄牛のような姿で現れると言われている。
次に彼の持つ能力や術者にもたらす恩恵についてだが、マラクスは人間を天文学や他のあらゆる基礎教養学問に精通させる事が出来るようだ。
他にも術者に良き使い魔を与えたり、薬草と貴石の効能に関する優れた知識を授けたりするという。
なお、術者はマラクス(下記)の印章を羊皮紙または金属板に書いて身に着けておかなければならず、もしも怠った場合は彼を従える事は出来ず、恩恵は受けられないそうなので注意されたし。
備考
20世紀の美術史家フレッド・ゲティングスの書いた悪魔解説書『地獄の事典』によると、マラクス(モラクス)という悪魔の起源は古代中東で崇拝されていたモレクという神であるそうだ。
このモレクという神は、頭部が牛の人型の像の中に現れる男性神だそうだ。
また、旧約聖書におさめられた古代ユダヤの歴史書の一つである『列王記』の中では、モレクは晩年に神への忠誠を失ったソロモン王が信仰した異教の神のひとつとして描かれているそうだ。
旧約聖書におけるモレクについてもっと詳しく知りたい方は下記にウィキペディアのリンクを貼っておくのでそちらを参照して欲しい。
ちなみに、英語版のウィキペディアにはマラクスは「人間の顔をした雄牛のような姿」と「雄牛の頭部をもつ人間の男性のような姿」のどちらの姿でも描かれるという風に記述されているが、恐らくそれは「頭部が牛の人型の像」の中に現れるとされるモレクの影響だろう。
参考文献
・英語版ゴエティア 英訳:マクレガー・メイザース
・魔導書ソロモン王の鍵 編著者:青狼団
・萌える!ソロモン72柱の魔神事典 著者:TEAS事務所
・Wikipedia等