もくじ
人魚とは
人魚とは民話や童話、ギリシア神話などに登場する半人半魚の生き物である。
アンデルセン童話「人魚姫」に登場する人魚はとても可愛らしく描かれているが、古くからの伝承によると人魚は通りかかった船を難破させるなど、基本的に人間に災いをもたらす存在であるとされてきたようだ。
ちなみに人魚と言えば女性の人魚Mermaidを思い浮かべる人が圧倒的に多いと思うが、男性版の人魚Mermanもいるらしい。
※男性の魚人の事を指してMermanと呼ぶ場合もある
※男女を区別せずに呼ぶ場合はMerfolk(海の種族・生き物)という
世界の人魚
日本も含め世界中の国や地域に人魚伝説があり、それぞれに個性や特徴があるので面白いが、東洋の人魚は形状や性質が現代の一般的な人魚のイメージとは異なる場合が多いので、ここでは現代の人魚のイメージに近い西洋の人魚達を紹介する。
ローレライ
ドイツ、ライン川にまつわる人魚伝説。
ライン川を通行する舟に歌いかける美しい人魚達の話であり、その歌声を聞いた者はその美声に聞き惚れて、舟の舵を取り損ねて川底に沈んでしまうという。
元々ローレライとはドイツのライン川流域にある、水面から130mほど突き出た岩山の事で、この岩の付近の水域は狭く、流れが速い上に岩が潜んでいる事も多くかつては航行中の多くの舟が事故を起こした事からこのような伝説が生まれたらしい。
※人魚の姿をしていないローレライの話もあるが大筋は同じである
メロウ
アイルランドに伝わる人魚伝説。
古アイルランド語でメロウは「海の歌い手」を意味し、伝説の中でも催眠効果や人を惑わす力のある歌の能力持つ海の魔物として描写される事もあり、人間の男を海中に誘い、魔法をかけて一緒に暮らすという事もあったそうだ。
アイルランドにおいてメロウ伝説はかなり親しまれているものなので様々なバージョンの話が各地に伝えられており、中には男性のメロウと漁師が交友関係にある話や人間と夫婦になり子供をもうけたメロウの話しなどもある。
容姿は女性の場合は美しく、男性の場合は醜いという。
ちなみに私の大好きな漫画ベルセルクに出てくるイスマもメロウと人間の子供である。
セイレーン
ギリシア神話に出てくる海の魔物、最も古くは女性の半身と鳥の半身を持つとされていたが後世では女性の半身に魚の半身であると伝えられた。
美しい歌声を持つとされ、その歌声を聞いたものは海に飛び込んで、船は岩に激突してしまうという。
セイレーンは単独ではなく姉妹がいるとされるが、その人数は定かではなく、2~5人姉妹であると言われている。