名:シャックス(Shax) 序列:44 爵位:侯爵 惑星 :月 星座:双児宮(ふたご座)
もくじ
シャックスとは
シャックスとは悪魔学における悪魔の一人で、『ゴエティア』に記載された「ソロモン72柱の悪魔」の1柱を担う魔神である。
『ゴエティア』によると、シャックスは地獄の魔神30個軍団を支配する序列第44の悪魔、偉大なる地獄の侯爵であるという。
また、彼はどこにでもいるような野生の鳩の姿で術者の前に現れ、小さなしわがれた声で話すそうだ。
次に、彼の持つ能力や術者にもたらす恩恵についてだが、彼は術者の求めに応じて、どんな人間からも視覚や聴力、理解力を奪い取るという。
また、馬でも何でも術者の望むものを奪ってくるそうだ。
さらに、王の館から金や財宝を盗み出し、それを(1200年後に)返却する事も出来るようだ。
他にも、彼は神聖な事柄や他の悪魔に守られていない財宝やあらゆる隠された物事を見つける事が出来るという。
たまに良き使い魔を授けてくれる事もあるそうだ。
さて、色々と興味深い能力や権能を持つシャックスだが、術者は彼を召喚し、使役する際は、最初に彼を三角形の魔法陣の中に入るように命じなければならないという。
そうしないとシャックスは術者を欺き、たくさんの嘘をつくだろうと言われている。
また、術者は彼(下記)の印章を羊皮紙または金属板に書いて身に着けておくべきであり、もしも怠った場合は彼を従える事は出来ず、恩恵は受けられないという。
ちなみに、シャックスは別名でサクス、シャクス、サズ、サス、カクス、スコクスなどと呼ばれる事もあるそうだ。
備考
『ゴエティア』では野生の鳩の姿で現れるとされているが、同書と関係の深い魔導書『悪魔の偽王国』ではコウノトリの姿で現れるとされている。
※ウィキペディアではコウノトリまたはヒメモリバトの姿で現れるとされている
また、19世紀フランスの文筆家コラン・ド・プランシーによって書かれた悪魔解説書『地獄の辞典』のシャックス(スコクスまたはシャクス)の項目の挿絵には擬人化されたコウノトリが描かれている。
ちなみに、爵位に関しても他の文献などでは侯爵ではなく1ランク上の公爵となっている事もあるそうで、『地獄の辞典』では公爵兼侯爵とされているそうだ。
また、これは余談だが、シャックスと見た目に関する記述が全く同じ魔神がソロモン72柱の悪魔の中にいる。
それは序列第38の魔神ハルファスであるが、彼もまた『ゴエティア』ではどこにでもいるような野生の鳩の姿であるとされ『悪魔の偽王国』ではコウノトリの姿であるとされている。
ハルファスとシャックスが同一の魔神であるかどうかについては手持ちの資料からは確認出来なかったが、恐らく何かしらの繋がりはあるのではないだろうか。
参考文献
・英語版ゴエティア 英訳:マクレガー・メイザース
・魔導書ソロモン王の鍵 編著者:青狼団
・萌える!ソロモン72柱の魔神事典 著者:TEAS事務所
・Wikipedia等
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