もくじ
ノッカーとは
ノッカーとはイングランドのデヴォン州やコーンウォール州、ウェールズなどの鉱夫たちの民間伝承に登場する精霊または妖精の事である。
Knockersという名前は文字通り彼等が鉱山の洞窟内の壁を小さなハンマーなどで叩く事が由来であるそうだが、彼等のこの「洞窟内の壁を叩く」という行為が友好的なものなのか非友好的なものであるのかどうかは鉱夫によって解釈は異なったようだ。
というのも多くの場合、ノッカー達が洞窟内の壁を叩いた直後に洞窟崩れや落石が起こったからだ。
ある鉱夫はノッカーが洞窟内の壁を叩くのは「洞窟崩れが起きるから逃げろ!」という警告のためであると考え、またある鉱夫は洞窟崩れはノッカー達の仕業で、彼等が洞窟内の壁を叩くのは洞窟崩れや落石を起こし、そこで働いている鉱夫たちを困らせるためであると考えたそうだ。
しかし、多くの鉱夫たちはノッカーが洞窟内の壁を叩くのは友好的な行為だと考えたようで、ノッカー達は警告のために洞窟内の壁を叩く以外にも、良い鉱脈があると洞窟内の壁をコツコツ叩いてどこを掘り進めばよいか教えてくれると考えた鉱夫もたくさんいたそうだ。
ノッカー達を友好的な精霊であると考えた鉱夫たちは今後も彼等と良い関係を築いていくために、洞窟内で彼等を刺激する行為を控えたり、また、感謝の印に食べ物(パスティー)などを洞窟内に置いたりしたそうだ。
ちなみに、友好的であっても悪戯好きで、鉱夫の道具や食べ物を盗んだりする事もあると言われている。
見た目・大きさ・特徴
ノッカーは小さな精霊で、大きさは2フィート(約60センチメートル)ほどだと言われている。
体のわりに頭が大きく、しわだらけのひげ面で、手が地面につきそうなほど長いそうだ。
また、ノッカーはいわゆる一般的な鉱夫のような恰好をしていると言われているが、体のサイズに合わせてそれ等の衣服やグローブなども小さいそうだ。
また、常に小さなハンマーを持っているとも言われている。
ちなみに、ノッカーの正体については、同じ国や州でも地域によって伝承の内容が異なる場合があるので様々である。
例えば、ある地域ではノッカーはレプラコーンやクラリコーンなどと近い関係にある妖精であると言われているが、コーンウォール州のある地域に伝わる伝承によるとノッカーは大昔にその鉱山で働いていた鉱夫で、洞窟崩れや落石などの鉱山の事故で亡くなった後に鉱山の精霊としてこの世に存在するようになったと言われている。
お知らせ
Amazonの公式ストアにて「世界の妖精/精霊ファイル」を紙版、電子書籍版共に販売中なので、興味のある方はチェックして頂けると幸いです↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0D91FYVKL